おいしいシリーズ:味のある思い出をおいしい食べ物と一緒に回顧するシリーズ。
ジンジャーは大学を卒業してすぐ、
オーストラリアにワーキングホリデーに行きました。
ワーキングホリデーとは、
最長二年間の滞在を許可され、さらに働けるという便利なビザを取得して行ける留学形態です。
オーストラリアのメルボルンに行くことになった僕の初めての職場は、
オーストラリアに進出して間もない、博多ラーメン屋の厨房でした。
看板メニューである豚骨ラーメンの味は、
それまでの僕の人生のラーメンランキングでは一番で(そんなラーメンに海外で出会うのもおかしな話ですが)、
そのクオリティを維持するのに、厨房はいつも大忙しでした。
まず仕込み作業。
マイナス何十度の冷凍室から、
重たい豚の頭蓋骨、関節の骨、脂肪、皮などを引っ張ってきて、煮えたぎる大鍋に入れます。
頭蓋骨は、目玉なんかも残っているので、さながら地獄絵図のよう。
豚の頭蓋骨と目が合うたびに、
「ああ、地獄に行ったらこのように、ぐつぐつ煮込まれるのだろうか。。。」
など考えてる暇もなく、
常時火力マックスで沸騰中の大鍋を、
弁慶の槍みたいな重いやつ(名前忘れた)でかき混ぜます。
随時かき混ぜ、骨のガラをすくって捨てて、追加の頭蓋骨入れて。。。
のらりくらりやってると火力でスープの濃度がおかしくなってしまうので、すべてマッハでやらなければなりません。
サウナくらい汗が出ます。
「ラーメンなら、つくるの簡単そう」と思ってましたが、甘かった。。。
豚の血が手についたままだったのか、
仕事後に素手でブドウを食べた後、猛烈にお腹が痛くなってその場から動けなくなったこともあります(豚の血にはサルモネラ菌がいるらしい)。
そんなに要領いい方ではないので、
よくヘマをしては、九州出身の店長に、
「何しとうとや!(博多弁?)」と叱られました。
懐かしい。
これも練達かと思って、割と真面目に働いていると、
ある日、その店長から、
「ロサンゼルスに新しく出店するけん、行かん?」とお誘いが。
正直、嬉しかったのと、
単純に、
「ロサンゼルス?え、行きたい。」
と思いましたが、
ここで、ある思考が生まれました。
頑張ってラーメンをたくさんつくる
↓
脂っこくて塩辛い、おいしいものが増える
↓
多くの人が食べる
↓
多くの人が健康を悪くする機会が増える
あれ、これ、神様喜ばれるかな。汗
確かに、友達と一緒にラーメン食べれば、おいしかったねーとはなるけど。。。
バイトならいいけど、職業としては、どうなんだろう。
そんなわけで、
元々行く気はありませんでしたが、丁重にお断りしました。
(仮に行っていたら、コロナでどうなっていたのだろう。。。)
どの世界に行っても大変な、労働。
ラーメンが悪い、と言うつもりはありませんが、
労働のその先に、一体何があるのか。
それを考えた時に、ラーメンづくりを職業にする、という選択肢はありませんでした。
神様のために行なったことだけが、永遠に残る。
僕は聖書を自分で読んだのではなく、牧師先生に教えてもらいました。
聖書なんて開いたこともない僕のような人に、
あれだけわかりやすく教えられるようになるまでに、
一体どれほどの苦労があったでしょうか。
ラーメンづくりも大変ですが、比べ物になりません。
聖書を一読するだけでも大変なのに、
人には語り尽くせない苦労があったと思いますが、
そのおかげで、僕みたいに、新たに神様を信じる人が増えました。
労苦が甲斐になり、永遠に残るものになるから、
苦しいことがあっても、牧師先生自身が喜びで満ちるのだと思います。
だから、
恵み深く、楽しく、聖書も教えられるのだと思います。
そういう風に、そういう精神で、
仕事をしたいものです。
名古屋 主の栄光教会 ジンジャー